謹賀新年

「一年の計は元旦にあり」と、昔から申しましてな・・・



では、1年の計の、作業開始。
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いきなり地道な作業で新年を迎えます。

元旦の、凛とした空気の中、背筋を伸ばし気持ちを引き締めて作業にいそしみます。


とはいえ、いつもながらのパッキン剥ぎと、オイルストーン磨きなんですがねぇ。
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このあと、シリンダーは洗浄してから耐熱スプレー塗装後に乾燥。


シリンダーサイドの上下2個の穴が堅かったので、ボルトも穴も軽く修正。
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シリンダーガスケット 12191-459-951
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12191-459-000が販売停止になってしまったので、後釜のパーツです。
タイの部品ですね。

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厚さを測るのを忘れてしまいました・・・
今までのが0.5mmあるんですが、若干薄いような?


ピストン装着。
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脱脂してからガスケット入れて
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カムチェンガイドローラー
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見比べても、そんなに減ってはいない?
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1mmちょい減ってます。なんとなくゴムが柔らかいような気がします。
新年だし、部品もあるので新品交換してしまいます。

シリンダーを入れたところ、ヘッドとシリンダートップがツライチになるような気配。
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写真では0.2mmくらい隙間ができてますが、ぐっと手でシリンダーを押し込むと、ツライチになります。

さて、今回のOHの実験部品の登場です。
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最近はメタルなシリンダーヘッドガスケットで、2か所を切ると3枚に分割できるのです。

上下に0.3mm弱の薄板と、真ん中に0.5mmのステンレス板で構成されてるんです。


では、真ん中のこれ↓を捨てるとどうなるのでしょうか?
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薄板2枚だけですと、1.18mmのガスケットが0.6mmになりますよねぇ・・・

デジタルノギスでの実測ですが、ヘッドを規定トルクで締め込むと、1.18mmは1.1mm程度になると仮定します。
0.6mm弱は締め込むと0.5mmになると仮定します。

ということは!?
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シリンダボア52mm
ストローク49.5mm
燃焼室容積14cc
ガスケット厚1.1mm
ピストントップ容積2.4cc
で計算すると、圧縮比が8.5のエンジンになります。
ここまではカタログ数値(太字)通りになりますね。

この数値を使って、ガスケット厚を0.5mmに設定すると、圧縮比は計算上9.2になります。(仮定数値での結論)

つまり、スキッシュエリアがあるヘッドを面研することなく圧縮比9.2:1のエンジンにすることができるのではないかと・・・

いままでOHしたエンジンは、ヘッドを面研してましたが、このCT110のヘッドはぎりぎりまでスキッシュエリアがあるので面研はあきらめ、ガスケット厚だけで調整してみます。

本当は薄板1枚で実験したかったんですが、新年早々壊してもナニなので控えました。(笑)

では、組んでいきましょう。
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薄板2枚ではたして無事に始動できるでしょうか?


インマニエンジン側、固くなってたので無条件に交換。
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ベースをつけて・・・
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ガバナーをつけ・・・
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そのあと、パルスジェネレーターを組み込みます。

タペット調整します。

一応組みあがったので、手でクランク回して・・・問題なし。
キックを10回くらいしても問題なし。

プラグを取り付け、キックすると、やたらと重たい・・・ということは?成功?

エンジン始動して、暖機運転。タイミングチェーン調整と点火時期調整をします。
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タイミングチェーンは少し緩める方向になりました。(ローラーを変えたから?)

点火時期も合わせます。(前半が調整前、後半が調整後)


バルブがピストンに当たってるような音もせず、無事に始動成功です。

排気音はやや力強く、太った印象です。

今のところ、いい感じですね。

明日は実走できるでしょうか?・・・