その昔、子供のころの暑い夏、神戸の街で冷やし飴というのを飲んだことがある。
街角の駄菓子屋やお好み焼き屋などの軒先にステンレスの大きな鍋が置いてあり、中には氷屋で作られた大きい角氷が入っていて、琥珀色の冷やし飴が冷やされている。ステンレス容器の外側には結露で水滴が付いている。蝉が騒がしく鳴く気怠く重い空気の中、それを見るだけでキンキンに冷えた飲み物が欲しくなるのだった。
お店のおばちゃんに「冷やし飴ちょーだい」って言うと、ビールジョッキに大きなレードル(お玉)で、ジョッキ一杯に並々と注いでもらい、ゴクゴクと喉を鳴らしながらあの独特な甘さと爽快感の有る飲み物を飲んだのを覚えている。

冷やし飴というのは、麦芽水飴をお湯で溶かしたものを冷やし、しょうが汁やシナモンを加えた飲料。
関西地方の夏の風物詩でもあったはず。



家の整理をしていたら、明治屋の大きなビンに入った蜂蜜を見つけた。
かなり結晶化して固まっていたので湯煎して結晶化した塊を溶かし、手ごろな容器などに小分けしていたら、あのころ飲んだ「冷やし飴」をなぜか思い出したのだった。

蜂蜜1にお湯を2くらいの割合で溶かしたものをコップに入れ、ショウガを小指の爪の半分くらいの量を溶かし、氷も入れてみた。
変換 ~ IMG20210216185118
本当は蜂蜜ではなく麦芽糖なのだが、色はそっくりである。

そして、
飲んでみる・・・


おお、これはなんと・・・思わず顔がほころぶ。
瞼を閉じると、冷やし飴に近い味がした。

一瞬、子供に戻った気がしたのは、気のせいなのだろうか。


眼を開けたら、いつものキッチンの風景が広がっていた。